法人がAI詐欺・BECで狙われる時代の
サイバー保険入門
2026年、国内法人の被害総額は22億円超。
中小企業こそ今すぐ確認すべき補償内容・保険料・加入判断フローを解説します。
出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威2026」、rocket-boys.co.jp BEC被害まとめ、Vectra AI 2026
AIが生成した経営幹部の音声を使ったボイスフィッシングを起点にBEC(ビジネスメール詐欺)が発動。確定損失額は2026年上半期最大の単独被害となった。
社長・役員を装った人物がSNS・ビジネスチャットでグループを作成し、経理担当者に緊急送金を指示。ZUU 9,600万円・山口市 9,600万円・信和 2.5億円など複数件が同期間に発生。
社長になりすました人物からSNSで連絡。「口座残高を教えるように」と指示し、SNSグループ作成後に2口座(3,000万円・5,000万円)へ分割送金を指示。2026年1月5日、警察発表。
役員を装ったメールが届き、送金指示に従った結果1億円をだまし取られた。NHKが2026年2月25日に報道。同時期に全国で同手口の「ニセ社長詐欺」が相次いでいたことを岐阜県警が警戒呼びかけ。
社内で公開していないメールアドレス宛に社長を名乗る連絡。SNSグループ作成→経理担当者を追加→2口座に計3,800万円を分割送金。送金後に社長本人へ説明して発覚。和歌山東署が2026年6月19日に発表。
▲ 大企業だけの問題ではない。中小・中堅合計で全体の約7割を占める(IPA統計ベース)
| 手口 | 法人での具体的シナリオ | 企業リスク |
|---|---|---|
| AI-BEC ビジネスメール詐欺 |
AI音声で社長を騙り、Slack・LINEワークスに緊急送金を指示。「今会議中で電話できない」と言い訳させる。 | 🔴 最高 |
| ディープフェイク通話 | CFO・役員の顔と声をAIで複製しZoom通話。「今すぐ口座変更して振込を」と経理に指示。 | 🔴 最高 |
| AIフィッシング | 取引先のメールに偽装した請求書差替え。文体・社名・担当者名まで完璧に模倣したAI生成メール。 | 🟠 高 |
| 合成ID不正 | 実在する従業員情報とAI生成の偽情報を組み合わせた採用詐欺・なりすまし情報窃取。 | 🟡 中 |
▲ 一般賠償責任保険・火災保険ではサイバー攻撃の損害はカバーされません
サイバー保険のベース補償は「情報漏えい・システム破壊・賠償」が中心です。 BECによる不正送金損害(資金損害)は特約として別途追加が必要な商品が多く、加入前に必ず確認してください。 特にAI音声・ディープフェイクを起点とした被害では、この特約の有無が補償の分かれ目になります。
| プラン目安 | 月額保険料 | 補償上限 | こんな企業向け |
|---|---|---|---|
| エコノミー | 5,000円〜 | 5,000万円程度 | 小規模・スタートアップ・まず始めたい |
| ベーシック ⭐ | 1.7万円〜 | 1億円 | 中小〜中堅・売上1億円以上・個人情報保有 |
| ワイド | 2.6万円〜 | 1億円+利益損害 | 個人情報1万件以上・BEC特約が必要な企業 |
| IT業務特約あり | 6.7万円〜 | 1億円+IT損害 | SaaS提供・受託開発・システム事業者 |
※三井住友海上「サイバープロテクター」公開保険料例を参考(売上高10億円・60%割引適用時)。実際の保険料は審査・業種・補償額により異なります。
▲ まず「個人情報DBがあるか」→「件数は1万件超か」の2問で大枠が決まります
保有個人情報件数・1日の売上損失額・リスク要因を入力するだけで、 情報漏えい賠償・システム停止損失・初動対応費用の合計と推奨プランが約2分で確認できます。
当てはまるものをすべて選んでください(複数可)
※ 保険料は売上高・業種・補償額・保険会社により個別に算出されます。まずは保険会社または代理店にご相談ください。
※ 初動対応費用(フォレンジック調査・弁護士・コールセンター等)は業界平均値をもとに設定しています。
- 送金承認フローの二重化:1人の判断で振込できない仕組みを導入する。金額閾値(例:10万円以上)を設けて複数承認を必須に。
- DMARC・SPF・DKIMの設定:自社ドメインへのなりすましメールを技術的にブロック。設定コストは低く効果は高い。
- 多要素認証(MFA)の全社導入:メール・クラウド会計・Slackなど主要サービスすべてにMFAを設定する。
- 「緊急・他言無用」ルールの社内周知:この2ワードが揃ったら必ず上長に報告する社内ルールを文書化して共有する。
- BEC訓練メールの実施:擬似的な詐欺メールを社内に送って誰がクリックするか確認する訓練(フィッシングシミュレーション)。
- 定期的なバックアップと復旧訓練:ランサムウェア被害時の復旧日数が保険料・損害額を左右する。オフライン保管の確認も必須。
Sintsuにご相談ください。
サイバー保険の加入は各保険会社・代理店へ直接ご相談ください。
Sintsuではセキュリティ対策の実装支援・業務改善・AI導入を承っています。
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